結論:正しく"引用"すればOK
著作物とは?引用とは?
著作物は原則として、著作者の許可なく使用ができません。
原則、ということなので、一部例外があります。文化庁のHPに詳細があり、20年8月現在は20項目が該当しています。
国のホームページなので、内容はお堅めです。調べた内容をまとめてみました。
普段の生活で使用頻度が高そうなのが、"引用"です。引用とは何かについて、文化庁のHPの記載を引用して下記に表現してみますね。
[1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。(注5)
出典:文化庁 著作物が自由に使える場合
つまり引用とは、「どこからどこまでが、誰の発言であるか(作者の発言と違う)」と明確に区別して表記することです。
余談ですが、大学生時代に卒業論文を執筆するにあたって、まず執筆マニュアルを渡されました。
結構厳しい研究室だったので、マニュアルのボリュームはA4で30枚程度。原稿用紙の規程や引用ルールを含んでいました。
当時は卒論を書きながらマニュアルをめくり、悩みながら書いていましたが、みっちり鍛えてもらったおかげで、無邪気に人の権利を侵害する危険性は下がっています。
引用ルールについて
手軽にできるから、何でもコピペして引っぱってこれるかと言うと、それは引用ルール違反になります。
文化庁によれば、引用における注意事項は下記の通りです。
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。
(第48条)(参照:最判昭和55年3月28日 「パロディー事件」)
出典:文化庁 著作物が自由に使える場合(注5)引用における注意事項
自分の文章がメインで、あくまで裏付けとして他の著作物を引用している、というのが前提です。
コピペだらけのサイトは信頼性が損なわれ、SEO上で不利になる可能性もあります。
画像(スクショ)の引用方法
注意点は、写真や画像を"引用"したつもりでも、"転載"扱いになる可能性が高いことです。
スクリーンショットの引用方法
Google や Microsoft
一番使用頻度や可能性が高そうなのは、GoogleやMicrosoftなどのWebサービスのはず。スクショする場合は、ガイドラインに従えばOKです。
※Google MapはスクショはNG、埋め込みで対応しましょう。
Googleのガイドラインに従って、スクショを掲載してみます。
各社のガイドラインはこちらの記事にまとめてあります。
個人やその他の企業サイト
個人や他の企業のサイトをスクショする必要がある時は、そもそもの必要性を検討しましょう。
やはり必要なんだ!となった場合でも、出典元の明記が鉄則です。
写真や画像は掲載しないのが吉
たまたま見かけた!検索でいい感じの素材がヒットした!という理由で、写真や画像を使用するのは絶対NG。
自分で撮影した写真を使う
著作権が自分に帰属するものの、油断はできません。人が写っている場合は、肖像権があるのでその人に許可を得ましょう。
フリー素材のサイトを使う
全部自分で素材を準備するのは、ほぼ不可能に近いですよね。そんな時はフリー素材!
フリーとはいえ、完全に使用者の好きに使っていいわけではないので、ガイドラインを確認しましょう。
加工してはだめ、●点以上は使用してはだめ、といったルールが記載されています。
ブログ初心者が突貫工事をしたとき、頼りになったサイトはこちら。
WordPressでの引用方法
WordPressでは、ルールに則って記載できるフォーマットがあるので助かっています。
デザインは変わってしまうかもしれませんが、方法も掲載します。
ビジュアルエディターの場合、「+」マークのボタンを押すと右側に段落の構成要素が出てきます。そこの「引用」や「画像」を押せば先ほどのテンプレートが挿入されます。
HTML形式の場合は、<blockquote>タグを使いましょう。
文章の場合
引用ボタンを押すと、下記のようにテンプレートが挿入されます。
上のルールでは"出所元"と広めの定義があります。Webサイトが引用元の場合は、URLまで記載する方が無難です(URL記載が必須と捉えている専門家もいます)。
リンクだと見やすいですね。Wordpressならすぐ設定できてありがたいです。
画像の場合
画像ボタンを押すと、下記のように下記のようにテンプレートが挿入されます。
※サンプル写真は、スペイン旅行中に自分で撮影したお気に入りです。
おまけ:「漫画村」きっかけで制定された法律
映画館に行くと、上映前に”映画泥棒”が流れることをご存知の方も多いでしょう。映像や音楽の違法ダウンロードは、2012年から罰則が課されていました。
画像の違法アップロード・違法ダウンロードの法整備は追いついておらず、約10年後の2020年にようやく追いついた状況です。
法律が制定されるまでの期間、「スクショはダメなんですか!」、「どうすればいいんだ!」といったことがSNSで話題になっていたので、ルールをおさらいします。
従来、違法ダウンロードの罰則は音楽・映像に限られていたが、漫画のほか書籍や論文、コンピュータープログラムなど著作物全般に拡大される。
数十ページの漫画のうち1~数コマといった「軽微なもの」は違法とはならず、二次創作・パロディーも除外された。スクリーンショットに違法画像が写り込むケースや、著作権者の利益を不当に害しないと認められる「特別な事情」がある場合も対象外となる。
刑事罰に問われるのは、正規版が有償で提供されている著作物を継続的にダウンロードした場合。起訴には著作権者の告訴が必要で、有罪なら2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科される。
出典元 時事ドットコムニュース 海賊版ダウンロードに罰則
違法なものを何度もダウンロードしていると法律違反になります。
この法律の制定で、画像やスクショの使用ルールについて議論が起きました。関心が向けられるのは喜ばしいものの、そもそも著作権はずっと前から存在し、侵害しないように守る必要があるものです。
2018年、「漫画村」という違法に大量の漫画をアップロードするサイトが摘発されました。同サイトはもう閉鎖しており、元運営者も逮捕されています。
違法だと知らなかった、では済まされないので気をつけましょう。
まとめ
ブログを始めるぞ!と思い立ち、調べれば調べるほどどんどん深みにはまっていくテーマでした笑
本来書きたかったテーマをまだ全く書けていませんが、大事なことなのでおさらい。
- 著作物の使用は著作者の許可が必要
- 例外として、引用ルールに基づけば引用可能
- スクリーンショットは、ガイドラインを守るか著作者の許諾を得る
- 画像や写真は"転載"扱いになるので使用しない
こまめにチェックしていく予定ですが、もし「違うよ」ということがあれば、教えていただけると嬉しいです。